今回発売するTU-8600は音楽表現豊かな300Bアンプをめざし、増幅回路はもちろん、電源回路の構成、フィードバックのかけ方などの見直しを徹底的に行い、スピーカーシステムだけでなくヘッドホンでの使用にも充分満足いただける低ノイズと音質を実現しました。
また、今回はマニアの方々が保有されている300Bを有効に活用していただくため、真空管類は付属しておりません。
【 TU-8600の主な特徴 】
■ 電源回路の強化
電源トランスに高効率、低漏れ磁束のRコアトランスを採用するとともに、整流用のダイオードに回復時間が短いショットキーバリアダイオード、ファストリカバリーダイオードを採用し、ごくわずかなスパイク状ノイズも最小限に抑えました。
また、トランス巻き線はフィラメント・ヒーター用のA電源、B電源それとバイアス用のC電源それぞれの巻線を独立させ、さらに各電源のクリーン化を徹底的に実施することにより残留ノイズレベルは当社TU-8300(R)の1/10以下を実現しています。
■ 安定した音質重視のフィードバック回路
300Bの特性を最大限に引き出すために出力トランスをはじめ各部回路の裸特性を向上させ、そのうえで、出力トランスの専用三次巻線による300Bへのカソード帰還や、電圧増幅段のみの帰還など、極めて安定な局所NFBを採用し、オーバーオールのNFB量を少なくすることで、過渡特性の悪化を抑えました。
■ 新アクティブオートバイアス方式採用
300Bのバイアスは、バイアス電源を別途準備し、プレート電流を検出してグリッドの負電圧を自動調整する「新アクティブオートバイアス」方式を採用。自己バイアス方式と固定バイアス方式の「良いとこどり」はもちろんのこと、電流検出回路をカソード側でなくB電圧側に移したことにより、一層の音質向上を実現しました。
■ 300Bを強力にドライブ
電圧増幅段はオーソドックスな構成で真空管の特性の良さを活かしています。とくに2段目は12AU7(ECC82)パラレルとし、ノンクリップで200Vp-pの能力を持つドライバーを構成、300Bをしっかりとドライブします。
■ 300Bにやさしい設計
直熱管と傍熱管の混在する回路ではウォーミングアップの時間が大きく異なるため、先に立ち上がる直熱管(300B)に負担がかかってしまいます。TU-8600では傍熱管が確実にウォーミングアップした後に直熱管(300B)をヒートアップします。
■ ヘッドホンに合わせた音量設定
ヘッドホン出力はヘッドホンの感度に合わせ、4段階の音量設定が可能です。
■ カップリングコンデンサーの交換にも対応
音質に大きな影響を与えるコンデンサーも、導電性高分子ハイブリッド電解コンデンサーやポリプロピレンフィルムコンデンサーなどを多用しています。また、色々なカップリングコンデンサーに交換したい方のために、大形のタイプも実装できるスペースを確保しています。
■ 真空管を保護するボンネット付き
使用真空管 |
300B×2、12AX7×1、 12AU7×2 ※真空管は付属しておりません。 |
定格出力 | 9.2W+9.2W(THD 10%) |
定格入力 | 320mV |
残留ノイズ | 36μV(IHF-A) |
周波数特性 | 7Hz~40kHz(-3dB) |
入力インピーダンス | 50kΩ |
出力インピーダンス | 4~6.3Ω、8~16Ω(背面のスイッチにより切替) |
入力端子 | LINE×1 |
出力端子 | スピーカ出力端子 金メッキネジ式ターミナル(バナナプラグ使用可) |
電源電圧 | AC100/200V 50/60Hz(3Pインレット) |
消費電力 | 90W |
本体寸法 | W385×H217×D325mm(突起部を含む) |
本体重量 | 約12.6kg(電源コード含まず) |