TU-8340「EL34プッシュプル真空管アンプキット」は出力管EL34の代わりにKT150も使用可能ですが、まれに半自動バイアス調整システムの調整範囲外となり、オーバーカレントエラー表示(赤色LED点滅)となる場合があるようです。
これは、KT150の特性の個体差により、TU-8340のバイアス調整限界である-48Vのバイアス電圧でもカソード電流が所定値(約55mA)を越えてしまう場合です。この対策は次の通りです。
[ KT150をこれから購入される方 ]
マッチドペア管を購入することになるので、必ず各個体にipの実測値が表示してあります。販売店に「ipが小さめのもの」と指定して購入されると良いでしょう。
[ すでにお持ちのKT150がオーバーカレントエラーとなる場合 ]
前述のようにTU-8340では-48V以上のバイアス電圧は発生できませんので、無信号時のカソード電流を若干大きくする設定にします。
それにはR120, R121, R220, R221 (12Ω、カソード電流検出用抵抗)の抵抗値を若干小さくしますが、交換は大変なので、現在付いている抵抗はそのままにして100Ω程度の抵抗を並列にはんだ付けすれば良いでしょう。これにより、各球の無信号時カソード電流が8%ほど大きくなります。ただしEL34では許容電力に余裕がなくなりますので、EL34に戻す場合は後付けした100Ωを取り外すことをおすすめします。