数量限定品 2016年11月末発売
EL34プッシュプル真空管アンプキット「TU-8340」は固定バイアス方式を採用しながら、真空管の差し替え時に必要な煩わしいバイアス調整をワンタッチで行うことができる「半自動バイアス調整システム」を搭載しました。 これにより真空管の差し替えを簡単かつ安全に行うことができ、真空管による音色の違いを手軽に楽しむことが可能となりました。
真空管のバイアス方式には大きく分けて「固定バイアス式」と「自己バイアス式」があります。AB級プッシュプルアンプにおいては「固定バイアス式」の方が効率が良く、また特性が異なる真空管にも対応できるというメリットがあります。しかし、通常は真空管1本1本に対してメーターを見ながら手動で調整する必要があり、大変面倒です。そこで、弊社では固定バイアス方式でありながら調整をワンタッチで行うことができる、革新的な「半自動バイアス調整システム」を開発しTU-8340に搭載しました。バイアス調整を行う重要なブロックは多くの部品によって構成されるため完成済のモジュールとし、組み立てを容易にしています。
バイアス調整が簡単な「半自動バイアス調整システム」によりデフォルトのEL34系(6CA7, KT77等)以外にも6L6GC系(5881, KT66等)やKT88系(6551, KT90等)の出力管との交換使用も可能です。 それに加え、電源トランスの容量にも余裕を持たせ、KT88系の中でも近年人気が高いKT120やKT150などヒーター電流が大きな真空管も使用可能、真空管による音色の違いをお楽しみいただけます。
本機は基本的にUL(ウルトラリニア)結線ですが、ワンタッチで三極管結線(三結)に切り換えできるモードスイッチ付きです。三結では最大出力はUL結線より大幅に小さくはなりますが、三極管ファンにうれしい機能です。
(モードスイッチの切り換えは電源OFF時に行うことが基本のため、不用意に切り換わらないように背面にあります。)
アンプ回路の中で音質に対し大きなカギとなるのがカップリングコンデンサです。本機には無誘導構造で高周波の特性も非常に良好なPP(ポリプロピレン)フィルムコンデンサを採用しておりますが、自分好みの音作りのために他のコンデンサへの交換も考慮し、十分なスペースを確保しました。チューブラー形のコンデンサだと胴体寸法でφ31×57mm程度のものまで取り付け可能です。
高効率、低リーケージフラックスであるRコアトランスを使用していますので、パワフルでローノイズな電源を約束します。また、一次巻線は100V, 115V, 200V, 230Vに対応しています。対応電圧は組み立て時にコネクターを取り付ける位置で選択します。
B電源には、弊社のTUシリーズで定評のあるパワーMOSFETによるリップルフィルターを、左右チャンネル独立で、しかも電圧増幅部と出力管部の合計4系統を搭載。ハム対策だけでなくセパレーションや解像度の向上を図っています。
付属真空管
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EL34×4本、12AT7×4本 | ||
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定格出力
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UL結線時 |
三極管結線時 |
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EL34 | 45W+45W | 24W+24W | |
6L6GC | 32W+32W | 18W+18W | |
KT88 | 42W+42W | 24W+24W | |
KT150 | 50W+50W | 28W+28W | |
定格入力
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EL34 (UL接続時) :460mV (三極管接続時):360mV |
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残留ノイズ
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EL34 (UL接続時) :180μV(IHF-A) | ||
周波数特性
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5Hz~120kHz(-3dB) | ||
入力端子 |
LINE × 1 | ||
出力端子
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スピーカ出力端子(4~6.3Ω、8~16Ω) 金メッキネジ式ターミナル (バナナプラグ使用可) | ||
電源電圧
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AC100V 50/60Hz (3Pインレット) | ||
消費電力
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EL34 | 130W(無信号時) | 190W(最大出力時) |
KT88 | 140W(無信号時) | 195W(最大出力時) | |
KT150 | 150W(無信号時) | 250W(最大出力時) | |
本体寸法
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W450×H200×D336mm(突起部を含む) | ||
本体重量
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約17kg (カバー含む。電源コード含まず。) |